「多分、岡崎さんが見たことある顔と聞いたことある名前は、兄です」 「は?」 ずいぶんと気のぬけた返事だな…。 「5組に双子の兄がいるんです。名前は遠藤一樹です。顔は僕と同じです」 「いや、全然知らないし。クラスの人なんてまだほとんど見てないから」 「じゃあ僕のことなんて知ってるはずないじゃないですか」 「そうなんだけど、それはそうとなんで敬語なの?」 そうだ、同じ歳なんだった。 先輩だっていう勘違いがまだぬけてない、というか…妙に大人っぽくて同じ歳に見えないんだよな…。