「…これ、悠真くん?」
依奈が問えば、悠真は写真立てごとゴミ箱へと投げ捨てた。
驚いて悠真を見れば、彼は鼻で笑う。
「過去なんかどうでもいいだろ」
「…」
きっと何かあったのだ。
あたしには、それを問う権利はない。
「…そっか」
「今日は家政婦がいねぇ。飯作れよ」
「は?」
「だから、飯」
なんですかそれ。
あ、もしかしてあたしを呼んだのって喧嘩と家事させるため?
それなら納得がいく。
悠真は自分のベッドに座る。
「昼飯」
命令するような口調に渋々ながら頷いた。
「…キッチンって、どこにあるの?」
「部屋でて右真っ直ぐ行けばつく。」
「わかった。」
依奈は部屋をでたあと言われた通りに進む。
リビングらしき部屋がありそこに入るとキッチンがあった。
相変わらずデカい。
「…あ」
美紅が目を見開きこちらを見る。
「何しにきたのよ」
「昼ごはん、作れって言われたの」
