「え、そうなの?」
「母親は死んだ。父親は海外にいるからな…一年に一回戻ってくるかどうか。」
「じゃあ美紅ちゃんと二人暮らし?」
「…いや、家政婦が1人いる。」
一つの部屋の前で立ち止まった。
「ここが俺の部屋。」
「うん、わかったよ」
「入れ」
「うん……ってええ!?」
「文句言ったら絞める。…別に一緒でいいだろ?」
こんなに家デカいんなら違う空いてる部屋あるんじゃ…?
でも、文句は言えない。
「…寝るときは?」
「一緒。…別にテメェに興味ねえよ」
部屋内に入ると、思ったより綺麗に整っていた。
少年漫画が何冊か本棚に入っている意外物はあまりない。
一つの写真が部屋にあった。それは、中学生くらいの悠真と美紅…そして父親がうつっていた。
悠真は今とは比べ物にならないくらい楽しげに笑っていて、何より普通の元気な少年みたいだった。
髪は黒で、今のような不良のおもかげすらない。
