「…や、でも…」
一応男だし。
あたし女だし。

興味ないかも知れないけど、付き合ってるわけじゃないんだし。

ぐるぐると考えが頭の中を巡る。

どうしよう、

ぱし、
悠真が依奈の腕を掴んだ。
そして引き寄せる。
驚いて目を見開けば、耳元で囁かれた。

「一昨日、屋上。バレていいのか?」

「…え?」

一昨日…?
「抱き合ってたとこの写メ、バラまかれたくないだろ?」

思い出した。
授業をサボって奏と屋上にいた時の事だ。

見られていた事に気が付かなかった。
依奈は顔を真っ青にしてこくこくと頷く。

「…依奈?」
奏は不思議そうに悠真を見る。

「奏くん…あたし、悠真くんの家にいくね」

そうしないと、大変な事になるのだから。

「はあ!?何いってんだよ!」
「決まりだな。」

勝ち誇った表情の悠真を奏はもう一度睨んだ。

「悠真、…俺は依奈が泊まるっつーなら何も言わないけど、変なことすんなよ」

「ブスに興味ねえよ」
ただ、強さに興味があるんだ。