次の朝、早朝からチャイムが鳴り響く。
日曜日の事もあってか、奏と依奈はまだ寝ていた。
「…うるせーな」
さきに目を覚ましたのは奏で、ダルそうに起き上がり玄関へと向かう。
がちゃり、
ドアを開ければ、そこには大家がいた。
「…なんの用?」
「あんた達には悪いけど今月分の家賃払えないんでしょ?…事情は知ってるから、明日の朝でてってちょうだい。」
「わかってる」
「悪いねえ、こちらも商売だからさ」
まったく悪いとは思ってない表情で奏を見る。
イライラした。
もともと、この大家は子供だけで生活していた幾多姉弟を良く思っていなかったらしい。
「じゃあ、よろしくね」
それだけいい残し去っていく大家に舌打ちをした。
「…どうしたの、奏くん」
眠たそうに部屋からでてきた依奈に今の事を言うと、しょうがないよと笑った。
「いっつもへらへらしてんじゃねえよ…」
単なる八つ当たりだ。
依奈は表情を歪める。
