「そそそ奏くん!?」
「…俺だってなあっ、色々我慢してんだよ!…煽るような事するなよ…」
頬が赤い。
なんだか可愛かった。
依奈はクスクスと笑う。
やっぱり弟だ、可愛い。
依奈は弟を恋愛対象として見てはいない。
それに奏は気付いていた。どうせ明後日で依奈とのアパート生活は終わってしまうのだ。
そうなる前に、少しは意識しといて貰いたいのが本心。
「依奈、お前俺が男ってこと分かってねえだろ?」
「え、分かってるけど…」
「ふうん」
奏はにやりと笑い服の隙間から手を入れた。
「ちょ、何するの…」
「さあ?」
びく、
手が、尻に触れた瞬間ビックリして腰が浮いた。
奏はもう片方の手で胸に触れる。
「っやだ!」
拒絶され、奏は依奈からあっさり離れた。
どういうつもりか分からないが彼は笑っている。
「ま、いいや。」
何がいいのか分からない。
半泣き状態で奏を見上げた。
