「ううん!あたし、嫌われたかと思って…でもちがくて、よかった…」

ちゃんと言葉になっていない気がするが今はどうでもいい。

「私は依奈を嫌いにならないわよ!…もう、可愛いんだから!」
さっきまでの態度が嘘のように依奈を抱き締めてくる恵美。

依奈は照れたように笑った。

「…遅いと思ったら、なんや、お前らレズやったんか。」

「は?そんなわけないでしょ!」
戻ってくるのが遅いために後をおってきた薫と秋。

「なんか、やっぱ依奈ちゃんはその方がいいな!」

秋は笑顔で依奈の背を軽く叩く。

「え?え?」

「さっきみたいな、悲しい顔見せたら罰ゲームってことで」
ますます意味が分からない。

薫は可笑しそうに笑い、悪ノリしてきた。
「そんなら、オレにキスしてや」
「な、なんでそうなるの!」

「いいやん。オレ等の前で悲しい顔しいひんとけば大丈夫やし」

何か企んでいるような表情で、ニヤリと笑う。
依奈は一歩後ろへと下がった。