「…いてぇ」
頭がガンガンする。
体を起こすと、昨日はソファーで寝てしまった事に気付いた。

自分に毛布がかけられている。
きっと依奈がしたのだろう。
昨日の記憶が曖昧な奏はズキズキする頭を押さえながら朝食をつくる依奈の元へ向かった。

「…依奈」
びくっ!

「な、なに!?///」
「俺、何もしてねえよな?」
「してないしてない!///」
「…なんで照れてんの?」

不思議に思った奏だが、依奈がこれ以上答えようとしないのを察すると大人しくテーブルについた。

「あれ…?」
「…んだよ」

珍しいものを見るかのようにキョトンとする依奈を睨む。

「ご飯、たべるの?」
「悪いかよ」

「う、ううん!嬉しい!今すぐ用意する!!」

久しぶりに一緒に朝食をとれる事に喜び、依奈は慌てて用意を再開した。

どういう風の吹き回しだろう。

昨日から奏がだんだんと変わってきていることが嬉しかった。