あ、あたし何かした!?
悪いこと言った!?
胸が不安でいっぱいになる。
あんな奏の表情は初めて見た。余裕が無さそうな切ない顔。
素っ気なかった弟が、構ってきてくれるのは嬉しい。
けど、何か変だ。
急にキスしてくるし、泣きそうな顔してるし。
どうしたらいいのだろう。とりあえず、風呂からあがったらもう一度奏と話してみよう。
「…よしっ!」
悩みとかあるなら、自分が聞いてあげよう。
少しでも力になりたい。
依奈はベッドから立ち上がり風呂に向かった。
「…はあー」
なんであんなことしてしまったのだろう。
我ながら余裕が無さすぎだ。
奏は冷蔵庫から飲み物を取りだし、気晴らしに一気に飲み干す。
気づかないうちにこんなに依奈の事を好きになっていたなんて自分でも気がつかなかった。
ぽーっとしてくる頭。
頬が赤くなってくる。
