「おい」
びく!
奏は背後で逃げようとしていた不審者の首を掴んだ。
「おまわりさんにつき出せばええんちゃう?」
ふざけた口調でいう薫に奏は頷いた。
不審者が離そうとしないもう一枚のパンツを薫は奪い取ると自分のポケットにしまう。
「薫くん!!」 「薫!!」
「なにてめえはちゃっかりパンツ盗んでんだよ!!」
「だって欲しいんやもん。」
「可愛く言ってもダメだろ!」
奏は不審者から離れ、薫のポケットに入っているパンツを引っ張る。
「ちょっと!あたしの下着引っ張らないでよぉっ!」
目の前で自分のパンツが見られていると言うだけで恥ずかしいのに、それを弟と薫が引っ張りあいをしている光景を見ているなんて…
今なら死ねそうだ。
「…なんやねん奏ちゃん。その手離せや」
「無理、薫に依奈のパンツ渡したら夜中ぜってー「変なこと言わないでよ!!」
