「こっからが勝負だ」
「どうするの?」
「下着泥棒が来るまで待つ。」
窓の外のハンガーに吊るしてある下着。
奏はそれを狙いに泥棒がくると言うのだ。
「そんな都合よくいくかなあ…」
心配になってきた。
「絶対くる」
奏がそう言った直後、窓に怪しい影がうつった。
「…そ、奏くんっ」
「黙れ」
早すぎる泥棒の登場に奏は笑った。
「薫、」
「了解やで。」
彼はそっと窓の横に移動した。
合図をしたら窓を開けろ、と小声で告げる。
奏は構えた。
「開けろ」
ガラ、
開いた直後、屋根を歩く不審者の腕を掴み、部屋の中に向かって背負い投げをする。
不審者はあっけなく、タンスの角に強打した。
「…痛そう」
さすが奏だ。
容赦ない。
彼は不審者の前髪を掴み、上に引っ張った。
見たところ、30代前半だろう。
「オッサン、下着返せ」
「ひいっ!」
目の前に拳を突きつけられれば誰だって怖がるだろう。
