「やっば、」
「?」
奏は依奈をみて固まる。
「…奏?」
「絶対、今の依奈は誰にもみせたくねえ。」
どういう意味?、と問う前に玄関のチャイムが鳴った。
依奈より先に奏が動く。
「で、どうやって下着泥棒捕まえるんや?」
薫の声だ。
奏と二人でリビングに入ってくる。
「依奈とパンツをおとりにすんだよ。」
「依奈ちゃんを?……!」
呆然と立ち、こちらを見ている少女に薫は目を見開く。
「…なんや、ごっつ美人やんか」
「依奈だ。可愛いだろ?」
「可愛いていうレベルじゃあらへんわ…さすが、奏ちゃんのお姉さんなだけある。」
「奏ちゃんいうな」
とりあえず、自分は誉められているらしい。
今まで一度も異性に美人だと言われた事がないためにドキドキと心臓が高鳴る。
「…えへへ」
「何ニヤけてんだよ。」
どうやらニヤけていたらしい。
「なんか、嬉しくて。」
「今からおとりになる事がか?」
「違うよ!!」
嬉しさが一気に冷めた気がした。
