「おとり作戦」

下がってきている制服のズボンを片手であげて、奏は立ち上がる。

…だらしないのは変わらない。

「これを外にほしとけ」
「へぶっ!」

奏がなげた依奈のパンツは彼女の顔面に直撃。
相変わらず奏が投げるモノはなんであっても早い。

早すぎる。

嫌々ながら窓をあけて、
それをほす。

「依奈、着替えろ。」
「え?」
「眼鏡とって、コンタクトにしろ。髪もそのダセえおさげどうにかして…」

色々注文を押し付けてきた奏にきょとんとすれば、近づいてくる。

そしてスカートを引っ張られた。

ぐいっ、
「っ、きゃあ!」
「せめて膝上10センチ。折れ。」

「…ハイ」
どうしてこんなことになったんだろう。
スカートを慣れない手付きで折り、眼鏡をはずしコンタクトにかえる。

奏は依奈のシャツの襟のボタンを外し、だらしなく広げた。

「こんでいい…な…」
奏は依奈を真っ直ぐ見た。

瞬間、固まる。