「薫、今から家これる?」
『なんやねん、いきなり。』
「依奈の下着が盗まれたんだよ、見つけるの手伝え」
そのセリフを聞いて依奈は顔をこれでもかというくらい真っ赤に染めた。
「ちょ、ちょっと奏くん!!いいよ!自分で探すよ!」
奏の携帯をとろうと手を伸ばす依奈を軽く蹴り飛ばしさらに続ける。
「柄はピンクの苺だから、よろしく。」
『…面白そうやん、ええで。今から行くわ。』
ピ、
通話を終了し、部屋の隅で泣いている依奈に言う。
「今から薫が来るから。」
「…ううっ…こなくていいのに…」
「下着泥棒ぶっ殺すんだろ。」
「こ、ころっ!?」
「なんなら悠真も呼ぶか?」
「や、やだよ!!」
完璧に面白がっている奏を睨むと、彼は口元をつり上げて笑った。
どうせなら恵美に来て欲しかったと心底思ったが口にすれば蹴られるのが目に見えている。
「奏くん、…」
「んだよ」
「…なんで新しい下着持ってるの。」
彼はちゃっかりタンスからパンツを取り出している。
