「っ、離して、」
「依奈、おしおきしていい?」
反応を楽しむかのように依奈の胸に顔をうずくめてくる。
「ちょっ///やだって!」
もしかしたら、このまま押し倒されるんじゃないか。
でも、奏にならいいかもしれない。
依奈は目を閉じた。
ぎゅむっ、
「ばぁーか」
頬を手で挟まれ、唇がアヒルのような形になる。
「依奈なんかに興味ねえよ…とにかく、眼鏡外すなよ。俺と姉弟ってことも、言わないで。」
依奈は顔を真っ赤にそめてこくこくと頷いた。
「…キョウダイか」
屋上の扉の内側で、悠真が聞いていた事に気づかない。
それが、後で大変な事になるとは知るよしもなかった。
