勢いで返事をしてしまった事に少し後悔した。

(ま、いっか)

「研修生ー!これ三番テーブル!」

「…はいはい。」

だらだらと立ち上がり紅茶2つとパフェを持った。

依奈がいる場所へと向かう。

ふと、脳裏に先ほどの大地との場面がよぎった。

イライラしてくる心情を隠すように早足で向かう。

どんっ、
「あ」

がしゃん!

レジまで向かっていた客とぶつかってしまった。

持っていた紅茶が溢れ、パフェが落下して容器が割れる。

(やば、)

「きゃっ!す、すいませんっ!!」

客は頭をさげて謝る。

「いや、別に。」

大丈夫だから、と言って客を先に行かせて自分は後始末にとりかかる。


「…手、ケガしてない?」

「…」

突然ふってきた声に驚いて顔をあげれば、気まずそうな表情をした依奈がいた。

彼女の背後にはニヤニヤした恵美がいる。

どうやら恵美に行ってこいと言われたようだ。