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「お嬢様、旦那様、ご注文は何になさいましょうか?」
しばらくして、スーツを着た薫が営業スマイルでやってきた。
違和感が無さすぎて三人はぽかんとする。
「か、薫…///」
恵美は彼に夢中だ。
似合っているために依奈もほんのり頬を赤くした。
それを見て薫は口元をつりあげ、恵美の顎をくい、とあげると不適に笑う。
「お嬢様は、オレをご注文ですか?」
「なっ///」
普段とは違う話し方にドキドキと心臓が脈打つ。
恵美は顔を真っ赤にして動かなくなった。
「…バカオル。」
低く唸るような声に薫はビクリと震えた。
ゆっくりと振り向くと雰囲気ががらりと違う奏が立っていた。
手にもつコップがわなわなと震えている。
「ご注文は!?」
バン!と置かれた3つのコップに四人は目を見開く。
「…え、えと、じゃあ、紅茶で」
「あたしも…」
「俺パフェ!」
まわりの客の視線が集まる。
