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「…遅い!」
「まだ5分しかたってないわよ。」
恵美は呆れたように溜め息をついた。
今、公園には秋と恵美がいる。
薫と奏は訳があっていないらしい。
「…やっぱ、さっきの事もあったしこないんじゃ」
「喧嘩したわけじゃないから来るよ!絶対。」
「けど」
秋を黙らせようと恵美が口を開いた時だった。
携帯が鳴る。
一通のメールが来ていた。
「あれ、薫からだ」
「え?薫は今奏と面接してんだろ?」
【二人とも合格したで】
写メつきで送られてきたメールに溜め息がでそうになった。
ホントにする気なんだ、あのバイト。
薫が昨日、店にバイトをしたいという電話をいれたらしく面接は今日する事になっていたのだ。
先ほどの光景が蘇る。
『…あ、オレ今から面接あること忘れてたわ』
丁度、大地の屋敷をでた時に薫が言った。
『ってことで、行くで!奏ちゃん。』
『ま、待てよ!!』
