「学校サボったり、休んだりしてて依奈ちゃんの事すげぇ心配してた。
なのに依奈ちゃんは、自分が好きな幾多奏しか見てない。…うぜぇんだよ」
声がでなかった。
何かが喉に詰まったような感じだ。
「調子に乗るな」
違う、違うのに。
皆と仲良くしていたかっただけなのに。
「…うん、ごめんね。」
大地は寂しかっただけなのかもしれない。
「あたし、もう皆と話さないよ。恵美ちゃんにも心配かけない…だから、泣かないで。」
困ったように依奈の手が大地の頬にふれた。
「……俺、あんたを皆から引き離して自分のモノにすれば恵姉が構ってくれると思ってる」
「…」
「恵姉とちゃんと話したい、だから、それまで協力してくれる?」
はっきり気持ちを伝えるために、誘き寄せようとしているらしい。
依奈は痛いくらいに大地の気持ちを理解した。
「わかった…」
そして、ゆっくりと頷いたのだった。
