「うざいよ」
大地の言葉が真っ直ぐ突き刺さる。
依奈は何も話さずじっと彼を見た。
「依奈ちゃん、俺の事好きになれない?」
カーテンで窓を覆っている為に外から車の中は分からない。
依奈は自分の隣で不敵に笑う大地の異変に気付いた。
どこか悲しそうな顔をしているのだ。
「大地くんって、あたしが好きじゃないでしょ?」
「…なんで」
「悲しそうな顔してるよ。」
指摘すれば彼の表情は赤く染まる。
「…恵美ちゃんが、好きなんじゃ」
いいかけてやめた。
今にも泣きそうな表情をしていたからだ。
「恵姉、依奈ちゃんと友達になるまで俺との時間がほとんどだったんだ」
「うん…」
「友達になってから、一気に一緒にいる時間が減った。…それに、最近薫に惚れたとか言い出して、別に恵姉が幸せになるならいいと思った。」
けれど、といいかけて彼は依奈を見る。
「薫は、依奈ちゃんが好きだった。…はっきり言って、学校で有名な奴等が依奈ちゃんのまわりに集まってるし、恵姉の立場を考えてみろよ」
