昼休み、一年の話題も今朝の事で持ちきりだった。

「幾多くんっ、今朝の話本当なの!?」
「アタシショック~!」

「…ウゼえ」
はあ、とため息をついた。
秋と薫は苦笑する。

「モテモテやん。奏ちゃん」

「…はあ」

「でもさぁ、幾多くんと抱き合ってた人かなり美人なんでしょ!?」
「…」

奏は返す気力もない。
そのまま机に頬杖をつき、窓の外を眺めた。

ガラ、
「遊びにきたわよ!」
「恵美ちゃん、何連れてきてんねん」

薫は依奈にいち早く反応した。
「何って、アンタ達のお姫さま?」

ふざけた口調で言えば、薫は声をだして笑った。

「依奈ちゃんが姫なら、恵美ちゃんは召使やな」
「なによ、失礼ね!」

「はいはい、痴話喧嘩は他所でしてね~!っっ依奈ちゃん!」
「はい!?」

二人を押し退け、秋は依奈の手を握る。

「俺と「何してんだてめぇはっ!」

ゴッ、と彼の頭に奏の足が乗った。