地味なあたしと不良軍団


バイクの勢いもあったせいで思ったより高く飛べた。

パトカーを楽に越して、歩いている薫に突っ込む。
「薫くんどいて!」

「!?」

上空から聞こえた依奈の声に驚き見上げた。

このままじゃぶつかると確信した彼女は体をひねらせて薫のすぐ横に綺麗に着地する。

ぶわぁっ、
髪が靡いた。

まわりの通行人は見惚れたようにぽかんとしている。

依奈は自分でも綺麗に着地した事に驚いていた。

「何してるん。はよ逃げなあかんで」
薫に言われてハッとした。
立ち上がり、走りだそうとする。

「…こっち」
薫に手を引かれた。
左横の茂みに逃げ込み、細い裏道へと抜ける。

警官はぽかんとしていた。
悠真はその隙に姿を眩ませる。

「…ど、どこいくの!?」
「学校に決まってるやん」

初めて通る道。
本当に学校につくのだろうか。

「…依奈ちゃん、やっぱ凄いわ」
「え?」

「オレ、依奈ちゃんのギャップ好きやで?」