地味なあたしと不良軍団


「っえ」
思わず声を詰まらせる。

…服が、着替えさせられている。

まさか、悠真くんが!?
パニックになりそうになった瞬間、部屋の扉があいた。

「お前、…」
「…」

悠真は何かをいいかけてやめる。

「つめろよ」
「え?」
「ベッド。」

まさか、同じベッドで寝る気なのか。
依奈は驚いた表情を見せる。

悠真は無理やり依奈を隅に押しやり、ベッドに入ってきた。

気にせず横になる彼に依奈は硬直する。

ぐい、と引っ張られ無理やり横にさせられた。

腰にまとわりついてくる腕に声をあげそうになる。

「…今日だけ、」

「…」
あまりに、いつもの彼と違っていた。

寂しそうな声音にダメだと言えなくなる。

シャンプーの甘い匂いがした。

…だめだ。

「悠真くん、」
「…」

返事はなかった。
静かに顔を覗き込めば眠っていたことがわかった。