「悠真くん、あたし、」
「俺は構わない」
言わずとも分かっていたらしい。
依奈の気持ちは見てる範囲で分かっていた。
単に彼女がそれに気付いただけ。
「…明日、」
「え?」
「奏のトコまで送ってやるよ」
悠真は何を考えているのか分からない。
「どうして?」
「…お前を手に入れるため。」
依奈を気にせず浴槽からでる悠真。
依奈は慌てて視線をそらした。
…なんか、のぼせそう。
緊張と熱さで頭がくらくらしてきた。
「…依奈?」
悠真が声をかける。
「…も、だめ」
ばしゃん、
お湯の中に沈んだ彼女を慌てて引き上げた。
逆上せてしまった依奈をどうすることもできない。
深いため息をついて悠真は依奈を抱き上げた。
*
「…ん」
目を覚ました。
ふらふらする頭を抱えて体を起こすと悠真の部屋だという事が分かった。
