「なんか複雑ねえ~」
私は悠真様が好き。
悠真様は依奈ちゃんが好き。
依奈ちゃんは弟が好き。
簡単に行かない。
難しい。
「ま、頑張ってみようかしら。…じゃあ私はこれで」
家政婦は立ち上がり、浴場をでていく。
依奈は立ち上がったままだった事に気付き、慌てて湯船に体を沈めた。
美紅は体を洗っている。
家政婦があがり数分後、再び浴場のドアがあいた。
「よお」
「きゃああああ!」
普通に入ってきた悠真を見て悲鳴をあげる。
美紅は変な気をきかせて、
「美紅、先にあがるね★」
と言い残し上がってしまう。
依奈は顔を真っ赤にして、湯に口をつけぶくぶくと泡をふく。
ちゃぷん、
「…家政婦とも、上手くいったみてえだな。」
さっき少しだけ話した時、お前の事を話していた、と言う。
「……うん///」
意識しすぎて自分だけ顔が赤い事が恥ずかしかった。
