「おまえ、どうして俺に好きだとか言わなかったの?」

あたしが処女を捨てた夜、隣に寝転がる安藤がそう聞いた。

「あんたは、あたしが好きって言えばすぐ付き合うでしょ」

そんなのいらない。
ちゃんと、あたしのことを、安藤自身が欲して。

あたしの価値がなくなるような、そんな恋愛ごっこはしない。

あんたの価値を下げる、そんなバカな真似はしない。