「なんか、安藤、あたしが好きだと知っていたらしい」

「なに!
まさか、付き合うのか?」

「いや」

目の前で、安心したような顔をしたこの男。
あたしの幼なじみ。
あたしのことを愛している。

「安藤がちぃに惚れるのだけは困る」

あたしはイタイ女だけど、安藤に選ばれない可能性があることをちゃんとわかっている。
その時は、この男のものになる。
そう決めている。
この男の愛情はとても確か。
自分の人生を委ねて後悔はないだろう。

ただ、安藤を好きなままのあたしでは必ず後悔する。
この男は、選択肢ではあるが逃げ場ではない。

こんなあたしは最低かもしれないが、もし安藤を諦める時がきても、他の男は選ばない。
この男に決めたあと、もし安藤を手に入れるチャンスがあっても、もう安藤に興味はないだろう。

あたしは、冷静に、一途だ。