数日後、
「そろそろ行くわ」
「行くのか」
「あ〜行くさ かすみちゃんとは兄弟だぜ せっかくねらっていたのに」
「かすみは嫁にはださん」
「え〜?なに」
「何でもない、とっとと行け」
「なんだよそれ 息子に言う言葉かよ」
「……いつでも帰ってこい。父さんはここにいる」
「気が向いたらな あばよ」

「どこに行くか?」
太郎は靴を投げた。靴は北を指した。
「よし 南へ行くか 北は寒いからな」
太郎の顔は、太陽に照らされ輝いていた。