あの事件の後、僕は何事もなく過ごした。



そして小学校に入学。



殆どの人間の顔を知っているので、目新しさはない。




ただ一人、見たことのない女の子がいた。




長い黒髪を三つ編みにして、緊張に顔全体の筋肉が強張り、足は震えている。



僕は彼女をじっと見つめていた。