「―例の彼の名前、
聞けたの?」
『え…?…あぁ!
忘れてた!』
「何それ、」
夏休みで暇な午後。
なんとなく電話した
由榎莉との話で
思い出す事になった彼。
本当に、
頭からすっかりと
抜けていたから
誰の事を言ってんだか
最初は
分からなかったっけ。
そぉいえば
彼とは、あの夜から
1度も会っていない。
『だって最近、
来てないから。』
「来てないんだ。
意外。てっきり
来ないのは、
あの日だけだと
思ってたのに。」
『ううん。
アレから1回も
来てないよ。』
「へぇー。
なんかしたんでしょ、
羚華。」
『え、まさか!
アタシなんにも
してないよ!』
由榎莉に
言われなくたって
それくらい
考えた事あった。
でも思い当たる事が
ないんだもん。
失礼な態度も…
とってないハズだし…

