今日はやけに
月明かりが眩しくて、
彼の影までくっきり
形を作り上げている。
スラっと高い背は
アタシとは
比べ物にならなくて
Tシャツから伸びる
腕まで白くて長い。
例えるのなら…そぉ
王子様みたいな!
その言葉が
彼と繋がって
しっくりきた。
アタシとは
正反対だ。
整った容赦と、
優しい物腰、
柔らかい雰囲気。
こんな人と
出逢ったのは初めてで、
沈黙の間はこっそり
彼を盗み見てた。
『あの、』
それでも
長すぎる沈黙に
堪えかねて口を開く。
弾くタイミングを
失ったギターは
すぐ側に
静かに立て掛けた。
『失礼ですけど、
おいくつですか?』
ずーっと
気になってた事を
聞いてみた。
本当に、
いくつなんだろぉ?
予想は…
10代後半~20代前半
ってとこかな。
「15です。」
『は?!』

