気にしないよぉに
振る舞いながらも、
気になるのは
確かで。
楽譜に目を落としつつ
チラチラと見てしまう
のは不可抗力だと思う。
ただ静かに聴いてる
だけの彼は
悪い人じゃないし、
邪魔なわけでもない。
寧ろこっちが
邪魔なんじゃないか
とさえ思う程、
雰囲気が優しい。
気がする、
なんとなくだけど。
だからと言えるのか
アタシがさっきから
選ぶ曲は
彼が好きそぉな曲
ばかり。
昨日弾いた曲を
気に入ってくれたなら
同じよぉな曲が
好きなんじゃないかと
意識的に選んでいたのは
否定出来ない。
だって、
どぉせ聴いてるなら
好きな曲の方が
良いと思うから。
ただ理由があって
ココに居るだけでも
それなら
耳障りにならないカナ
って…
そんな事
勿論知るはずもない
彼は、結局
最後まで静かに聴いてた
だけだった。
1曲終わるごとに
贈られる小さな拍手で
やっぱり彼は
ココに“お客さん”
として居てくれる
事が分かったけど、
約1時間の
勝手な演奏を聴いて
帰っちゃったから
それ以外の情報はゼロ。
興味が有る
わけじゃない、
けど…
気にならないとも
言えない。

