MeLdy~メロディー~


『本当に本当に、
 失礼しました、』

さっきから
何回この言葉を
繰り返したのかな?

多分、今ので
5回は口にしてる。

でも他に謝罪の言葉が
見つからないから
仕方ない。

せっかく、
アタシの歌に足を
止めてくれたのに…

「そんなに
 謝らないで下さい、」

その声に顔を上げたら
困ったよぅに笑う彼
がいる気がする。

表情なんか
暗くて見えないけど、

「僕の方こそ、
 すいませんでした、」

なんで、
彼が謝るんだろぅ?

悪いのは、
完っ全にアタシの
方じゃないか。

『そんな、
 アタシの方こそ…、』

「いえ、
 僕の方も…、」

終わりが見えない
やり取りに
つい彼と見合わせ
吹き出してしまった。

なんだ、意外に
優しそぅな人じゃん。

『わざわざ足を止めて
 頂いて、ありがとう
 ございます。』

言い忘れてたこの
言葉を漸く口に出来た。

アレ?
なんかアタシ、
本当に路上ライブ
してる人みたい。

なんて調子に乗る前に
ギターを持ち直す。