MeLdy~メロディー~


「大丈夫です。
 そんな事するつもり
 ありません。」

まだ笑いを含んだ声が
そぅ言った。

少し安堵したのは
確かだけど
まだ気が抜けないのも
事実。

慣れない事に、
ほんの一瞬で
慣れるはずもない。

『じゃぁ…
 何してたんですか?』

「貴女の歌を、
 聴いていました。」

『え、
 それだけですか?』

てっきり冷やかしだと
思ったから

まさか本当に、
そんな事で
足を止めたとは
思わなくて

つい大きな
声が出てしまった。

というか…
それが本当なら、
アタシはもの凄く
失礼な事を
したんじゃないか?

話によれば、
アタシの人生初の
お客様は、
目の前で苦笑を零す
彼になる。

でも…本当に?


―5分後―


『本当ーに、
 失礼しました!』

深々と下げた頭。

2、3コの質問をした
結果、彼は悪い人では
ない事が判明した。

アタシの中でだけど。

どうやら
たまたま通り掛かった
この公園で彼が好きな
曲が聞こえてきたから
足を止めてくれた
らしい。

それを聞いて
やっとアタシも
安心出来た。