そぉやって
歌に真剣になり
過ぎてたから、
アタシの近くで
足を止めた人がいる事に
気付く余裕が
全く無かった。
気付いたのは1曲
終わった時
アタシの耳に、
聞き慣れない音が
響いたからだ。
…拍手?
楽譜から顔を上げれば、
そこには人がいた。
『!?』
慣れない事に、
アタシの頭の中で
時が止まった。
寧ろ初めてだ。
その拍手は…
恐らくアタシに
向けられてると
思って良いはず。
だって、
日が落ちた公園で
1人で手、叩いてます
って方が変でしょ?
その方が違う意味で
怖い。
拍手の音が鳴り止んでも
その人は
移動しようとしない。
少しだけ距離のある
でも目の前のベンチに
いるのは分かってる。
ただ電灯の光が
小さ過ぎるせいで、
男か女かも
見分けがつかない。
座ってるから
背丈で判断するのも
無理。
アタシの心臓が
ドクンと
嫌な音を立てた。

