バレンタインの憂鬱

「てかバレンタインまであと2週間ぐらいか〜。」


奈央がしみじみと言う。


「奈央は誰かにあげるの〜?」


愛が奈央をつつく。


「そ…それは内緒だよ。」


「奈央顔赤いよ〜?誰?誰?」


私も愛と一緒に奈央をつつく。


「あ〜もう!先輩だから言っても二人共知らないよ!?」



「先輩?野球部の?」


私が言うと

「そ…そう…。」


奈央が頷く。


「じゃあわかんないか〜。でも名前ぐらい教えてよ。」


愛が名前だけでも…っと聞き出そうとする。


奈央は私に野球部の幼馴染みがいるのを知らない。


名前知っちゃえば優に聞いて、奈央が好きな先輩わかっちゃうんだよね〜。


「……あのね…木村先輩…。」



奈央は真っ赤になりながら先輩の名前を教えてくれた。


「なんかかっこよさげな名字じゃない?」

私が感想を述べる。

「私もそう思った〜。奈央、頑張れ!!」


愛が奈央に向かってガッツポーズをする。


「ありがとう!二人はバレンタインあげないの?」


「えっと〜…。」


「それは〜。」



私達二人共言い淀んだ。