「あっ!………ありがとう、斎藤君。」


斎藤君はボールを拾って手渡してくれた


「いいって、佐野さんも頑張ってね。」


そう言って走って行ってしまった。


やった!話せちゃった!!さっきまでのイライラはどっかに飛んでってしまった。


ついついコートに戻る足取りも軽やかになる。


「愛〜嬉しそうよ。」


真由が眉を寄せて言った。

「そんなことないよ〜。」

ダメだ、声も弾んでる…。でも嬉しいからしょうがない〜。