普段は 明るくて おしゃべりなだけに 何か 大事な話があるのかなって 感じた 「歩きながら、話そう ついでに 家まで送るよ もう遅いし、 暗くて危ないからさ」 そう 真剣な面持ちで言われて 断る事もできず わたしたちは 改札を出て 並んで歩き出した 話がある、って 言われたのに わたしの家の近くまで来ても 山口君は 黙ったままだ わたしは 何度かチャンスがあったのに なかなか気持ちを伝えられなかった 自分の過去を 思い出していた