「…うん」


レンは笑顔で長くて細い指でピアノに触れ、弾き始めた。
悲しいようで幸せのような不思議なメロディー…。


…レン…。






私、貴方が好きだよ…。
































「……つ、月…夜?」

「好き」


「でも…」

「レンが好きなの!!!」




…違う。
レンじゃない…。
















「恋が…好きなの…」









恋は私に何か言い残し消えてしまった。

…成仏したのかな?
それとも…。







どちらにしても恋はもういない。











「…恋…恋……、恋…」












恋は消えてしまった。
真夜中の恋愛組曲と恋の字で書かれてる楽譜だけ置き去りにして…。



























恋…。


私は貴方を30年前からずっと愛していました。


















愛してるよ。