まぁ“あいつ”の想いも知ってる俺だから余計にやれやれと思ってしまうのだろ


「はぁ・・・」

「社長?」


社長室のデスクに突っ伏した俺の溜め息が部屋中に充満する


「葉山さん秘書検定受けてくれますかねぇ?」

「さぁな・・・素質はあるとは思うが結局は本人の気持ちだし」


大体秘書なんて会社の顔だぞ?もし葉山さんが秘書になったら・・・あぁ・・・“あいつ”の苦虫を噛んだような顔が思い浮かぶ


くくくっ
いやそれはそれでも良いんだが、子供の不幸を楽しむ親なんて、葉山さんも義理の父親にしたくはないだろうからあまり苛めないでやるか

それにしても葉山さん書類上では“あいつ”よりも5歳年上か・・・全然若く見える

莉緒奈みたいだな


RRRRR・・・


「はい、社長室です・・・はぁ、今変わります」

「どうした?」

「ご子息からです」