なにか言わなきゃって思うのに何も言えない

千颯くんもなにも言わずに私を見つめてくるだけ

顔から火が出るくらい恥ずかしいのに、顔を反らしたいのに

出来ない

千颯くんも私も1ミリも動かないまま見つめ合った

そうしていた時間が何分過ぎたのか


「玲、」


千颯くんの唇がやっと動いた


「キスしたい」