うなだれる佐竹さんを置いて走ってお店を出た


佐竹さんの香りがまだ身体に残っているようで嫌だった

会いたい

千颯くんにぎゅっとしてほしい


RRRR…


『・・・はい?』

「ち、ちは、や、くん」

『玲?どうしたの?って夜中じゃない?』

「あ・・・ごめん・・・ね、寝てた?」


私はアパートにつくなり千颯くんの携帯を鳴らした

部屋の時計を見れば夜中の1時

長時間居酒屋にいたんだ・・・


『どうした?泣いてるの?』

「な、泣いて・・・ない、よ」


本当は泣いてた


『玲、今部屋?』

「う、うん・・・」

『今から行くよ』

「で、でも・・・」

『玲のそんな声聞いてられない』