そう言ってあたしの右頬に手を伸ばす千颯は


「嘘つき」


千颯の手をはじき、駅に歩き出す


「なにもないんだ・・・こんなの俺たちにとっては・・・」


そう言って追ってきた


そしてあたしを抱きしめて


「なにもないんだったら、あたしの目を見てよ」


あたしの言葉にビクリと身体が震えた



「俺を信じて」


千颯の目には嘘だらけの言葉が映し出されていて、なにを信じればいいの?


そして「俺たちにとっては」

それは・・・


「こういうのが年の差かもしれないね」