あたしを叩いた影はポロポロに涙を流して、追ってきた影に抱きついた


「っ、んで・・・あたしじゃ・・・だめなのよ」


「ごめん。」


それはあたしを無視した世界


抱きついている影


それに答えることもない影


利香さんと千颯くん


あたしはなんでここにいるのかわからない


パンッ


乾いた音が響いた


「っ、バカ!!」


利香さんは千颯くんを叩いて駅の方に走っていった


そして改めてあたしに目を向けてきた千颯くん


「玲・・・ごめん、痛かったよね・・・」