鏡の中のアタシ。



くるっくるっ…


トン、トン、トン…



「んー…」


里菜が、ペンをくるくると回しながら唸る。


「落書きでもいーよ♪」

美緒はそう付け加えながら里菜からペンを奪い、《里菜・ハート・美緒》とはじっこに書いた。

「あ、じゃぁ〜…」

すると里菜は、美緒の文字の回りにハートを書きまくった。

「その勢いで書いて♪」

「うん、書けそう!」


真っ白な紙の上にだと書きにくかったのに、はじっこに少し書いてあるだけで、すごく書きやすくなる。

それは、美緒も経験済みだ。

白い服は、汚れを気にするけど、小さくてもシミがついちゃうともう気にしないのと同じ感じ?


美緒は、そんな事を考えながらタバコに火を付け、ベランダにでた。

里菜が集中できるように。