「なんだ、コレ…」
目を覚ました里菜は、腕に点滴がつながれ、膝と肘に貼られた絆創膏を目にし、まわりを見渡した。
「は…?病院…?」
病院にいる。という事は理解できたが、状況が理解しきれない。
そんな時―――
コンコン…
「入るよ−。」
美緒だ。
なぜ美緒がいる?
「道端で倒れたらしいよ。発見した人が、里菜の携帯から、リダイヤルの一番上にあったアタシに電話してきて教えてくれた。」
色んな事がわからず、キョトンとする里菜に、美緒は早口で応えた。
2人の間に、初めて気まずい空気が流れた日だった。
美緒も、どう接していいのかわからなかった。
「とりあえず、検査するらしいから、2日は入院確定みたいよ。だから必要そうなもの、明日持ってくるから。」
「あ…、ありがとう」
「うん、じゃあまた明日」
いつもの2人だったら、看護婦さんに怒られるギリギリまで話していただろうが、微妙な空気が流れる今日そんなわけはなかった。
「…美緒…。」
それでも電話に出て、こうして見舞ってくれる美緒の優しさに、里菜は自然と溢れだした涙を止められなかった。
