鏡の中のアタシ。



ピーンポーン


静寂を破ったのは、能天気な玄関の来客を知らせるチャイムだった。


動かない雄也の代わりに大地がのぞき穴から、来客の姿を確認する。

「………マジかよ。」

引き気味につぶやいた大地は、思わずドアの前で立ち尽くしてしまった。

「誰?」

雄也は、大地の様子が変なので、聞きながらも自分で確認しに行く。

「………。」

思わず言葉を失う。

雄也的には、今一番顔も見たくない相手だった。


ピーンポーン


ドアの向こうには、首をかしげながら、再びチャイムを押す来客者。


明日香。


どこまでも空気が読めない。と、言うか読まないこの女に、大地と雄也は、恐怖さえ憶えていた…。