夢枕

☆

「もう、眠ってから二日間。全く起きませんね」
一人の女が俊介を見つめながら言った。
隣にいた男は、俊介の脈を確認する。
「……生きてます。今はまだ、あちらの世界に」
そう言うと、女は携帯電話を取り出した。
「至急。取り掛かります」

数分後、何人もの人間が入ってきた。
一人があるものを持っていた。
大きいサイズの黒い袋。
一部分だけ、透明になっている。
それを眠っている俊介の全体に被せ、顔を透明の部分にくるように合わせた。
俊介を包むと、そのまま外へ運ばれていった。