習慣となってしまった早起きで、いつもどおりに俊介は目が覚めた。
しかし、今日から会社に通う必要がなくなった。
やることもなく、俊介は力なく洗面所に行き、顔を洗い、歯を磨き、無精髭を剃った。
いつもどおりのように。

アパートにいても、ただ時間が過ぎるだけ。
俊介はあてもなく部屋を出て、気力のないまま道を歩いた。
いつもと変わらない道が、何だか虚しく感じる。
周りの人間を見ると、自分を哀れむかのような視線が突き刺さる。
ネガティブ思考が、俊介の頭の中で渦巻いていた。