事務所の方は感じが良かった。
明るく、丁寧に対応してくれ、俊介もスムーズに面接を受けれた。
前やっていた電気関係の仕事を話すと、相手も好印象を持ってくれた。
採用は確実だ。
俊介がそう思っていると、中に人が入ってきた。
白髪で短髪の老人。
長いこと電気に関わってきたオーラを出している。
「中嶋くん。ちょっといいかな」
「はい。社長」
そう言って、二人は外に出ていった。

しばらくして戻ってくると、対応してくれていた中嶋は言いにくそうに俊介に言った。
「面接は終了です。お疲れ様でした」
まだ話しの途中で俊介は困ったが、会社側にそう言われたらしょうがない。
「あっ、はい。お疲れ様でした」
俊介は外に出たが、一緒に面接を受けたあの男は残ったままだった。
不思議に思った俊介は、ばれないように盗み聞きをした。